決意 December 2013

人は何かを決意する時、人それぞれの儀式を行うことによりその決意を強固なものとすることが出来るのではないか。

その儀式は俺の場合、大阪南港にあるコスモタワー(大阪府咲洲庁舎)という、当時大阪で一番高いビルの展望台(現在はあべのハルカス)に登ることだった。 

 

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地上252メートルのその展望台に登ると、俺の人生の様に遠くのほうが霞んでしまっていた。というより、こんな絶景のシチュエーションでiPhone5のカメラしか持ち合わせなかった事の方が問題であったように思える。

 

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こうして、高所から町を一望するとムスカの気持ちがよく分かる気がする。「見ろ、人がゴミのようだ」

しかし、南港にはお台場と違って人すらいなかった。

 

 

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1980年代後半、大阪はまだ東京に対して完全に屈服してないことを誇示するために、この場所に巨大な建造物群の建設を計画していたが、2010年代にはその過疎化は見るも無様な状況だった。

 

 

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しかし、iPhone5の貧弱なカメラでもこの様な景色を撮ることが出来たのは、俺の荒ぶれた心をいくらかは洗い流してくれたように思う。

 

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遠くに、明石大橋が見える。その手前にあるのが神戸空港だろうか。

 

 

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しばし見とれる。

 

 

 

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さあ、地上に降りてあとわずかな地獄の続きを終わらせよう。